みくりや染織

「みくりや」とは、1100年頃伊勢神宮の荘園があったことから、御殿場・小山地方が御厨（みくりや）と呼ばれた事に由来しています。

生産者は、文久年間創業の御殿場市の民藝藍染 小原屋。四代目となる小原氏は、化学薬品を一切使わず、天然阿波藍を藍甕に仕込み醗酵させて藍液を建てる地獄建てによる伝統の「正藍染め」を継承し、長板中形染めや筒描きなどでのれんや浴衣などの藍染め製品を生産しています。

　化学薬品を一切使わない、藍にとって一番やさしく自然な方法で染めることによって、糸や布が五割あるいはそれ以上に強く丈夫になります。また、藍液に何回も浸して染める技法により、日本人が古来から馴染み親しんできた、美しく深みのある自然な藍色に仕上がります。

　藍以外の草木染料でも様々な色糸を作ります。藍色糸を基本にして、紬着尺や服地など、数センチ巾から１メートル巾までの織物を手織機で織り上げます。

　浴衣や小紋、訪問着は、長い板と中形の型紙を使って染める長板中形で染め上げます。他にも、型染め、筒描き、絞り染めなど作品によって技法が様々です。また、初代から使われてきた伝統の柄の型紙を彫り直しながら作品に生かしています。